研究課題/領域番号 |
26350356
|
研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堀内 泰輔 長野工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90132604)
|
研究分担者 |
宮嵜 敬 長野工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10141889)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | フィジカルコンピューティング / マイコン / Arduino / Raspberry Pi / 3Dプリンタ / デルタ型3Dプリンタ |
研究実績の概要 |
達成目標のうち平成26年度については下記の(1)と(2)の全体、および(3)の半分程度を計画していた。 (1) 小・中・高専・大学等の各レベルに対応した、PhC教育のためのハードウェア教材の選定 (2) PhC教育を意識した、Arduino開発環境の改善と拡張 (3)教育用3Dプリンタの設計と試作 (1)については、これまでに開発してきた高専向けのArduinoを用いた入門教育のための教材を検証した結果、高専低学年においてはArduinoが最適であるとの結論を得た。高専高学年および大学のレベルに対しては、RaspberryPiが機能面や価格面で最適であることがわかり、これらを用いた教材を作成中である。一方で、小中学校向けの低レベルの教育のためにはArduinoより簡易的なものを選択する必要があり、現在いくつかの候補の中からIchigoJamという国産の教材を選択し、その評価中である。 次に(2)については、これまでに開発してきた教材に加え、DCモータ、LCDディスプレイ、マトリクスLED、7セグLED、Xbeeによる無線通信の5つのハードウェアを実習できる教材を作成した。これで、Arduinoについては、すべての実習教材が整ったことになる。 最後の(3)については、4~5人程度のグループごとに3Dプリンタを製作させることとし、1台あたり5万円程度の簡易的な3Dプリンタを現在設計中である。このためにサンプルとしてフランス製のキットを購入して評価を行ったが、設計ミスなどにより、短時間での組立が不可能であることが判明し、現在その機構を改良する作業を行っている。以上の3DプリンタはXYZ軸を用いた従来型の機構を採用しているが、プリント速度や製作のしやすさからデルタ型の機構を採用したものが最近出回り始めた。この型による設計も同時並行の形で行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下、各達成目標別に達成度を評価する。
(1) 小・中・高専・大学等の各レベルに対応した、PhC教育のためのハードウェア教材の選定 小中学校向けには、IchigoJamをテスト中であるが、これ以外のものについても今後評価していきたい。高専低学年におけるArduinoは選定が終了した。高専高学年および大学のレベルに対しては、RaspberryPi評価中であるが、これが採択できる予定である。以上、(1)については、評価対象をいくつか残している。 (2) PhC教育を意識した、Arduino開発環境の改善と拡張 前述のように、これまでに開発してきた教材に加え、DCモータ、LCDディスプレイ、マトリクスLED、7セグLED、Xbeeによる無線通信の5つのハードウェアを実習できる教材を作成し、Arduinoについては、すべての実習教材が整った。 (3)教育用3Dプリンタの設計と試作 4~5人程度のグループごとに3Dプリンタを製作させる目的を立て、1台あたり5万円程度の簡易的な3Dプリンタを2通りの形式で設計中である。一つはXYZ軸を用いた従来型の機構を採用したもの、もう一つは、プリントが高速で製作しやすいデルタ型の機構を採用したもの、の2点について同時並行の形で設計中である。この項目は27年度前半までに行う計画であったので、計画通り遂行できたことになる。 以上により、研究計画に従って、おおむね順調に進展していることが評価できた。
|
今後の研究の推進方策 |
研究がほぼ順調に進展していることから、当初の研究計画通り、本年度は以下の(4)を行い、来年度は(5)を行っていきたい。 (4)3Dプリンタを活用した、アルゴリズム教育のための教育用ソフトウェアの開発と評価 (5) 小・中・高専・大学等の各レベルに対応した、パッケージングとコースウェアの整備 研究計画の変更は現在のところない。 研究遂行上の課題については、(3)の教育用3Dプリンタが1台当たり5万円以内という目標が達成できるかは微妙な状況である。これは、部品を輸入に頼っているために、為替レートの変化により、軒並み値上がり傾向にあるためである。これについては、国産の部品を代替できないかを含めて研究していきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
これは間接経費の金額であり、年度末に購入予定であった製品が未発売であったために、翌年度に持ち越しとしたためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
今年度冒頭に、予定通りの製品を購入するために使用する予定である。
|