研究課題/領域番号 |
26350372
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研究機関 | 国立研究開発法人科学技術振興機構 |
研究代表者 |
有本 建男 国立研究開発法人科学技術振興機構, その他部局等, その他 (80639922)
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研究分担者 |
佐藤 靖 国立研究開発法人科学技術振興機構, その他部局等, 研究員 (50517373)
松尾 敬子 国立研究開発法人科学技術振興機構, その他部局等, 研究員 (30728168)
己斐 裕一 国立研究開発法人科学技術振興機構, その他部局等, 研究員 (10728116) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 科学的助言 / エビデンス / リスク評価 / リスク管理 / 利益相反 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
本研究は、政策形成における科学的助言の活用に関する理論的基盤を構築することを目的としたものである。特に、主要な先進国や国際機関において活用されている科学的助言の制度と実践の事例を統合的に収集、分析することを通じて、内外における適切な科学的助言のあり方について洞察を得ることを目指している。 本年度は、主としてわが国の各政策分野における科学的助言システムの歴史的経緯と現状の課題について検討し、その内容に関する書籍の執筆を進めた。具体的には、食品安全、医薬品審査、地震予知、地球温暖化、科学技術イノベーションの各分野における科学的助言組織の成り立ちとその特性を押さえつつ、最近の具体的政策事案においてどのように科学的助言システムが機能したかについて分析検討した。その際、科学的助言プロセスの独立性及び透明性、利益相反の取扱い、科学的知見に関わる不確実性・多様性の取扱い、科学的助言者の責任・法的責任、市民社会の関与、科学的助言の国際的文脈等の観点に留意しつつ分析を行った。 その結果、なぜいま科学的助言に関する議論が内外において重要になっているのか、科学的助言という概念及び実体の内部の構造はどうなっているのか、科学的助言者と政府の役割領域はどのような関係性にあるべきか、といった問いに対する一定の視角を得ることができた。このような検討結果をまとめた成果は2016年8月に書籍として刊行予定である。 なお、本年度も昨年度に引き続き海外の科学的助言の専門家等とのネットワークの拡大に努め、その内容は上記書籍にも反映されているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科学的助言に関する国際比較については、海外との情報交換を進めつつも、海外のカウンターパート側の実施状況の進展の停滞により予定よりも遅れている。一方で、国内の科学的助言の事例分析については予定よりも進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施した国内の科学的助言の事例分析については2016年8月に書籍の形で公刊を予定しているが、その内容をさらに深め海外に向けても発信していく。同時にその検討内容を足がかりとして、海外のカウンターパートとの意見交換を進展させ、国際比較研究を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
科学的助言に関する国際比較研究の実施を先延ばしし、代わりに国内の事例研究を前倒しして実施することとしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度には、これまでに行った国内の事例研究の国際展開を図るとともに、国際比較研究を行う予定であり、そのために必要な経費を支出する予定である。
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