明治時代の動物学において,大学などで研究を行った人物はこれまでよく調査がされているが,彼らの研究を支えてきた,いわゆるアマチュアナチュラリストと呼ばれる人物については,その人物像や業績について知られるところが少ない.本課題では様々な文書資料を用いて,明治時代を代表するアマチュアナチュラリストであるアラン・オーストンに関する調査を行った.彼は日本の動物学において,特に東京帝国大学の研究者と交流した他,米国や英国の研究者に材料を提供するなどして,多大なる貢献をした.その陰には彼が育成した日本人採集人のサポートも無視できなかった.オーストンの死後100年を経て,彼の業績を再評価する成果が得られた.
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