研究課題
1 鹿児島県の後期更新世~完新世初頭の遺跡より黒曜石水和層用のサンプルの抽出を行った。県内で発掘調査された6遺跡より層位別のサンプルを確保することができた。合せて鹿児島県内の黒曜石原産地(日東、上牛鼻)において実験用の原石サンプルの採取を行った。2 抽出したサンプルについて写真記録し、プレパラートを作成し、顕微鏡による水和層の観察を行った。本年度、プレパラート化し観察することができたのは、2遺跡(定塚、桐木耳取)である。定塚遺跡については更新世と完新世の文化層出土のサンプルに関して水和層厚の計測まで完了した。3 促進水和実験について研究協力者(トム・オリガー)へ、日本列島の黒曜石サンプルを提供した。そのためのサンプル採取を長野県、北海道東部にて実施した。4 同位体顕微鏡およびSIMSを用いて鹿児島の後期更新世の黒曜石水和層の定量化を実施した。その結果、イメージングが可能であり、水素イオンの濃度分布による厚さの計測が可能である見通しを得た。今後は含水量の測定を行い、水素イオン濃度との相関を検討したい。
3: やや遅れている
水和実験用のサンプル収集、および遺跡の選別とサンプル抽出に重点を置いたため、サンプルの観察・計測が遅れている。
次年度は鹿児島県の先史遺跡サンプルの観察と計測を完了させる。合せて北海道の先史遺跡出土の黒曜石サンプルの収集・観察・計測を行う。またSIMSによる水和層および含水量の計測を上半期に行う。
当初予定していた含水量の分析にはある程度の量のサンプルを準備する方が効率的であると判断したため、分析サンプルを減らした結果、未使用が生じた。
分析時間を多くする。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
Geoarchaeology: An International Journal
巻: 29 ページ: 202-220
10.1002/gea.21477
駿台史学
巻: 152 ページ: 129-143