1. 2017(平成29)年11月13日~19日にイタリアでの聞き取り調査を実施した。 ローマ第3大学建築学部において所属研究者との打ち合わせを行った。2016年8月24日にイタリア中部のノルチャ付近で発生した地震(イタリア中部地震:Terremoto Centro Italia)の際の建造物の被害状況調査やピサの斜塔の地震対策について、及びイタリアでの文化財レスキュー事業の公的な枠組みについて、東京文化財研究所及び国立文化財機構の関係の専門家も交えて日本での情報共有を行うこととした。 また、ラヴェッロに所在するCentro Universitario Europeo per i Beni Culturali(文化財のためのヨーロッパ大学センター)で、同センター所属の研究者と面会し、組織の概要について、及び文化財防災に関連して、伝統的建造物の防災手法の調査などの取り組みについて話を聞いた。 2. 2018(平成30)年1月28日~2月2日、ローマ第3大学建築学部のCamillo Nuti教授を日本に招へいし、1月29日、31日に東京文化財研究所、京都国立博物館でそれぞれ話題提供を行った。このうち、京都国立博物館では「アマトリーチェでの2016年8月の地震の際の建造物の損傷、及びイタリア文化財省のレスキュー組織」と題し、話題提供のほか文化財防災ネットワーク推進事業関係者との意見交換を行った。 3. 東北芸術工科大学で開催された日本文化財科学会第34回大会に参加し、2017(平成29)年6月10日・11日の両日、ポスターセッションでの研究成果発表「国指定文化財12城の地震ハザードカルテによる危険度評価」を行った。また、同年10月28日に開催された京都国立博物館主催の講演会「文化財を災害から守る3 文化財の記録と継承 文化財を守り、伝えるために」での基調講演を行った。
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