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2014 年度 実施状況報告書

中国由来の木彫像の用材観

研究課題

研究課題/領域番号 26350386
研究機関独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所

研究代表者

伊東 隆夫  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (70027168)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード神像 / 樹種 / 樹種同定
研究実績の概要

本年度は神像彫刻の調査を中心に研究を進めた。中国の湖南省一体に広まっていた多数の神像彫刻(deity statue)がアメリカのミルウォーキーにあるアンティーク店に保管されており、本研究課題の共同研究者であるアメリカ人研究者の紹介で昨年度に訪問し、204体の神像から樹種同定用の試料の提供を受け、樹種同定をおこなってきた。その結果125体がクスノキ、26体がクスノキの可能性が高い試料(再度プレパラートを作製して調べる予定)、22体がクスノキ科の一種、18体がヤマナラシ属、その他サワグルミ属、バラ科の一種、ビャクシン属などが同定された。その一方で、神像体内から発見された銘文(inscription)の中国語による解読および英文への翻訳を中国人研究者の協力により進めてきた。これについては半数近い92の銘文の翻訳が終わっている。この92の銘文の中から登録番号、製作年代、製作場所、神像の身元、神像のタイプ、寄贈者、神像製作者、銘文作者にわけて一覧表を作成し、今後の整理および考察のために準備した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

中国由来の木彫像を研究対象にしているが、これには大別して神像(deity statue)と仏像(Buddhist statue)に分けられる。ところが現在神像については数多くの調査ができており研究データも蓄積しつつあるが、仏像については国内の博物館一箇所からの試料のみで中国において調査の協力を得るのが難しいことがありほとんど進展していない。

今後の研究の推進方策

今年も前回訪問したミルウォーキーに調査に行く予定で、さらに多くの神像の資料を持ち帰ることが期待できる。中国由来の仏像についての調査に制限があるので、今回は主に神像彫刻について十分なデータを蓄積したいと考えている。仏像の調査については国内および欧米の博物館に保管されている仏像の調査が多少なりとも許可されれば進めたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

本来、米国のミルウォーキー市に神像彫刻の調査に行く予定であったがその計画が海外研究協力者の米国教授の都合により、今年度になったので、前年度に予定していた経費が残ることになった。

次年度使用額の使用計画

27年度はミルウォーキー市のアンティークstudioに出張し、滞在期間に可能なだけの神像から樹種同定に必要な資料を調達したいと考えている。

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公開日: 2016-05-27  

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