本研究は,コンピュータ・シミュレーションを用いて,観光者が事前に得た観光情報が,観光行動に与える影響を明らかにした.観光都市内における複数の観光スポットを訪れる場合,観光者相互の会話分析を基に構築した観光行動モデルを用いたシミュレーション分析の結果,事前の観光情報を持っているほうが,より効率的に行動できる可能性があることが分かった.また,シミュレーション分析の結果,本研究で対象とした小樽運河周辺エリアにおいて,北運河方向に観光者を向かわせるには,南運河側以上に多数の魅力的な観光スポットの開発が必要となることが示唆された.
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