隆起する平坦な始原面(細砂とカオリナイトの混合物からなる)に降雨を与えると、端から谷の発達が始まる。斜面が成長して斜面崩壊が起こるようになると、崩壊物質が流水により速やかに排出されるため、斜面の拡大とともに地表面の上昇が減速する。そして侵食と隆起が釣り合う平衡状態に達する。降水量が多ければ、流水による侵食力が強く初期の上昇が抑えられて平衡高度が低くなる。しかし、砂山の透水性が大きいと斜面プロセスが強く働き、降水量が少ない方が初期の侵食が速く平衡高度も低くなる。流水侵食、斜面プロセス、斜面崩壊のそれぞれが同じ実験条件の変化に異なる反応をしており、結果としての地形発達を複雑なものにしている。
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