本研究は津波による地形変化や堆積物の堆積状態の場所的特性を明確化することを目的とし,東北地方太平洋岸,スマトラ島北部およびタイ王国アンダマン海沿岸の海岸平野を対象として検討した.その結果,顕著な海岸地形の変化がみられたほか,地盤高が高い平野では,引き波が低地の低所に向けて集中して顕著な侵食作用が発生し,出入りの激しい海岸線が形成されたほか,地形の違いが津波の遡上を容易にする条件となって顕著な地形変化を引き起こした.また, 10年間を経過した津波堆積物の厚さにはあまり顕著な変化が無かったものの,地表の流水が集中する部分では砂質堆積物二次堆積が顕著であったことが明らかになった.
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