本研究は、火山噴火史情報の共有化・火山噴火史研究の効率化を図ることを目的として、従来、多大な労力をかけて専門家により作成されてきた露頭情報データベースを低コストかつ効率的に構築するシステムを提案し、実装及び運用までを目指したものである。 平成28年度は、前年度までに開発し、公開を進めてきた露頭情報データベースサービス「じおログ」のモバイルアプリケーション版を使用して現地でのデータ収集ならびに改善点の検討を進めてきた。さらに平成28年4月の熊本震災後における地質情報の収集に提案システムを利用すべく、「じおログ」サービスを改良し、阿蘇ユネスコグローバルジオパーク事務局からの情報提供を受けた。その他、道路モルタル法面管理のためのデータベースとして本研究で提案したフレームワークを利用するシステムの構築も行い、本研究の成果が多方面で応用可能であることを示した。 研究期間全体としての成果は、1)研究者用露頭情報データベースとして、任意のタグを自由に付与できるユーザインタフェースを備えたデータベースシステムを開発しその有効性を示したこと、2)一般利用者用データベースとして、ジオパークを対象としたジオパークガイドアプリを開発、実地検証を行ったこと、3)研究者・一般利用者双方の利用を想定した露頭情報データベースのモバイルアプリを開発、公開したこと、4)熊本震災後の地質情報管理データベースならびに道路法面管理のデータベースに応用し、本研究の成果が多方面で応用可能であることを示したことである。
|