状況の変化やトラブルに頑強な物流計画の立案するためには、需要など将来の状況を正確に予測するモデルが必須となる。そして、そのモデルを理解するためには、複雑な状況をシンプルに表現するための変数選択が重要である。そのため、VIF基準による変数選択問題を混合整数2次計画問題として解く手法を開発した。時系列を考慮した予測手法として、再帰型ニューラルネットワークが知られている。しかし、時系列内で不変な情報も含めてRNNを適用すると、属性情報を重視しすぎた学習をしてしまい高精度な予測ができないという問題が生じる。そこで、この問題に対処できるようにRNNを改良した部分再帰型ニューラルネットワークを提案した。また、POSデータから相性値の算出するモデルとして、潜在的意味解析のモデルであるLatent Dirichlet Allocation(LDA)をベースに、より安定した結果を出せるように改善したEnsemble LDAを提案した。これにより、単純な判別モデルでは表現できない潜在的な嗜好性などが潜在トピックとして抽出可能になる。 状況の変化やトラブルに頑強な非線形な制約のもとで最適化を行う枠組みとして、hybrid evolutionary-simplex search methodを提案し、その有効性を検証した。また、クラスタリングを用いてスケジューリング問題に対する規模に影響を与えにくい実用的な解法を提案し、数値実験により検証を行った。さらに、不完全な観測データに対して、Doubly Robust Predictionを用いたアップリフトモデリング法を提案し、その性能の検証を行った。 これらの成果を専門分野の研究者に紹介し、学術交流を通じてその意義を明らかにするため、6本の査読付き論文と2本の査読なし論文として発表した。また、7件の国内学会・国際学会での発表を行なった。
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