研究課題/領域番号 |
26350427
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
山本 久志 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (60231677)
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研究分担者 |
肖 霄 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (30707477)
秋葉 知昭 千葉工業大学, 社会システム科学部, 准教授 (60505767)
新行内 康慈 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (90267774)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 2次元連続型 k-システム / 最適配置導出 / 数理解析 / ネットワークシステム / ネットワーク設計問題 / 全点間信頼度 |
研究実績の概要 |
今年度は, k-システムとその一般系となるネットワークシステムの評価技術について従来研究を見直し,③拡張連続型 k-システムの効率的な最適配置探索方法の提案として,1a)独立を仮定し限定した条件下であるが,連結型-(r,s)-out-of-(m,n):F システムの最適配置の性質に関する定理の導出を行った.そして,1b)それらの定理を利用した,最適配置導出のための分枝限定アルゴリズムの提案を行い,従来アルゴリズムとの比較実験の結果、提案アルゴリズムの有効性を示すことができた。また,1c)最適配置の数理的な導出のための一手段として,連結型-(r,s)-out-of-(m,n):F システムの信頼度と構成コンポーネントの信頼度との関係を導く信頼度算出式の導出に取り組んだ.これは②従属な連続型 k-システムと拡張連続型 k-システムの信頼度算出方法の提案の準備段階となる.更に,大規模システムの評価と最適配置の性質把握のために2) 多状態連続型 k-システムの最適配置導出に注目し,中規模以上のシステムの準最適配置導出を効率的に行うための SA アルゴリズムの改善を行い,良好な結果を得た. 加えて⑥多目的ネットワークの最適配置問題の定式化の一環として,3) ネットワークシステムのノードとエッジの連結関係を調査し,全点間信頼度を最大にするために必要とされるノードとエッジの連結の組み合わせを明らかにした.この結果はネットワーク最適設計への適用が期待される. 以上の結果を生産管理における作業者配置問題に適用し良好な結果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に基づき,①国内外の文献調査を進めた.この結果を踏まえ,はじめに③拡張連続型 k-システムの効率的な最適配置探索方法の提案として,独立を仮定した拡張連続型 k-システムにおいて,最適配置問題の幾つかの解法の基礎研究を進めた.その結果,効率的な最適配置導出手法,並びに構成要素(コンポーネント)の組み合わせと一定の配置位置に特定条件を考慮することで,最適配置となる組み合わせが限定可能であることを導いた. また,⑥多目的ネットワークの最適配置問題の定式化として,ネットワークシステムの構成要素(ノードやエッジ)の連結の組み合わせを考慮することで,特定条件のもとで全点間信頼度を最大とする最適配置となる組み合わせが限定可能であることを導いた.また,新たな数理解析の検討の結果に基づき,②従属な連続型 k-システムと拡張連続型 k-システムの信頼度算出方法の提案の準備を行った. 現時点で④条件付き不変性の存在条件分析と不変な最適配置の存在については,数値実験を実施中であるが,その結果の考察が不十分であり,未だ明確な条件式導出には至っていないが,最終年度に予定していた本研究の成果の異分野への適用を前倒しして,本年度の結果を,生産管理における作業者(設備)配置問題にすでに適用し良好な結果を得ている.
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今後の研究の推進方策 |
当初予定に基づき,多目的ネットワークの最適配置問題へ研究を発展させる.そのために,1) 連結型-(r,s)-out-of-(m,n):F システムの最適配置問題の,より一般的な場合における最適配置傾向の導出,並びに,条件付き不変性の検証, 2) 多状態連続型 k-システムの最適配置導出における配置傾向の数理解析と,条件付き不変性の検証,3) ネットワークシステムのノードとエッジに複数の目的関数を考慮した場合の,各目的関数を最大とする(この場合,一般にパレート解となるパレートフロントを構築する)ノードとエッジの連結の組み合わせの関係を一意に導出する関係式を考察する.また,本研究の成果の異分野への適用可能性を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新提案のアルゴリズム構築のために、従来アルゴリズムの追加数値実験及び従来アルゴリズムを一部改定したアルゴリズムの数値実験が必要となり、それらの数値実験に時間がかかっため、今年度に予定していた新規ワークステーションの購入を延期したためである。
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次年度使用額の使用計画 |
新提案のアルゴリズムの評価のために、新規ワークステーションの購入及び数値実験実施及び結果の集計のための謝金に使用する予定である。
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