研究課題/領域番号 |
26350443
|
研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
高濱 節子 広島修道大学, 商学部, 教授 (60186989)
|
研究分担者 |
海生 直人 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (80148741)
廣光 清次郎 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (90043827)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 非線形最適化 / メタヒューリスティックス / 差分進化 / 粒子群最適化 / 関数形状推定 / 近接グラフ / 教師なし学習 / パラメータ学習 |
研究実績の概要 |
本研究は,非線形最適化問題に対して,目的関数の解析的性質等を要請しない探索効率が高く汎用的な最適化手法を開発することを目的としている.平成28年度は研究目的に沿って,差分進化(DE)と粒子群最適化(PSO)を用いて以下の研究を行った.①関数形状の推定に基づく突然変異の制御:局所・大域の2個の突然変異を提案しPSOに適用した.形状推定には近接グラフによる山谷判定を用いた.局所突然変異は単峰性関数で用い,最悪個体を最良個体に急速に近づけ収束を促進する.大域突然変異は多峰性で用い,山点の個体を最良個体から離し集団の多様性を維持する.②適応アーカイブと関数形状推定による適応型DE JADEの改良:JADEは子より悪い親をアーカイブとして保持し集団の多様性維持に選択的に用いる.アーカイブを使うか否かは確率0.5で固定である.本研究では,アーカイブを用いて成功した(親より良い子ができた)確率を用いて選択確率を適応制御する方法を提案した.又,①と同じく山谷判定を用いて,パラメータFとCRの適応制御方法を提案した.③グループ別パラメータ制御によるJADEの改良:JADEではFとCRをそれぞれ確率分布に基づく乱数として与える.確率分布のパラメータは成功したときのFとCRの値を用いて更新する.しかし,JADEで用いる確率分布は集団全体で共通である.本研究では,個体をランク付けし,ランクによりグループ分けし,グループ別に確率分布の更新を行った.①②③は,テスト関数を解き,他手法と比較して提案手法の有効性を検証した.④DEによるゲームプレイヤーの学習:オセロについて,スコアを目的関数,ルール以外事前知識を用いない条件の下で,プレイヤーの戦略獲得のためにDEによる教師なし学習法を提案した.生成したプレイヤーと標準プレイヤーを対戦させ,標準より平均的に強いプレイヤーが生成できたことを示した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,特に,目的関数の概形推定とそれに基づくアルゴリズムパラメータの動的制御について,前年度に引き続き検討し,有効な方法を提案している.具体的には,昨年度に引き続き,近接グラフを用いた山谷判定による関数形状の推定をPSO及び適応型DE JADEに適用した.今年度は,すべての山点・谷点に対するパラメータの適応制御方法を提案している.また,JADEについては,探索点をランク付けし,グループ別に分布パラメータの更新をすることを提案した.さらに,アーカイブの選択方法について新たな方法を提案した.
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は,概ね当初の計画通り研究が進捗しており,今後も引き続き申請時の研究計画に沿って研究を進める予定である. 具体的には, ①昨年度まで研究を進めてきた目的関数の形状推定を用いて,関数近似の難易度を予測することを検討する予定である. ②グループ別パラメータ制御によるJADEの改良について,引き続き検討する予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は,その他により論文別刷り料の支払を予定していたが,金額の確定が遅れ,全体としての研究費執行が遅れ,次年度使用額が発生した.
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は,国際学会及び研究会に積極的に参加し,研究成果の報告及び情報収集を行う予定である.
|