研究課題/領域番号 |
26350446
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研究機関 | 国立研究開発法人 海上技術安全研究所 |
研究代表者 |
小坂 浩之 国立研究開発法人 海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (90349225)
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研究分担者 |
鹿島 茂 中央大学, 理工学部, 教授 (70108207)
坂本 将吾 一般財団法人運輸政策研究機構運輸政策研究所, その他部局等, 研究員 (50580057)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | データフュージョン / 国際輸送 / 貿易統計 |
研究実績の概要 |
本研究は、国際輸送における同種・異種の統計データを融合することで、データの高精度化と高度化の実施、そのための方法論を提案することを目的としている。平成27年度は、標準的な貿易統計と特殊な貿易統計、船舶動静データの検討を行った。 標準的な貿易統計である国連貿易統計については、国連統計局が進める国際標準化の動向について整理を行った。国連統計局は、1920年代からの継続的な取り組みによって、貿易統計の作成基準の更新やデータベースの作成を進めている。この最新の状況とデータ解析から国連貿易統計の活用方策を示した。また、国連貿易統計に存在する不完全なデータの分析によって、貿易統計データの高精度化の検討を行った。不完全なデータとして、国連貿易統計の数量データの欠損を取り上げた。国連貿易統計では、価額と数量の両方が存在することが原則であるが、詳細な品目では数量データの欠損が生じている。この欠損の状況に関して、国・品目別データの時系列的な傾向を確認した。 特殊な貿易統計として日本、韓国の統計作成機関が公表するデータを検討した。特殊な貿易統計では、輸送機関別、税関別のデータを入手できることから、この情報から国連貿易統計の不完全なデータを修正する方法の検討を行った。また、研究代表者は、日本の税関別貿易統計から港湾別のコンテナ荷動き量を推計する実績があるため、この手法を韓国に適用するためのデータベースを作成した。次に、船舶の移動量を捉えた船舶動静データの検討を進めた。船舶動静データは、個船の港湾間の移動量が得られるが、荷動き量が得られないことが一般的である。貨物の荷動き量と船舶の移動量を融合して統計の高度化を行うため、船舶動静データから船舶の航海速度や航海距離等の諸指標を推計し、既存統計との対応関係を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は、貿易統計データの不整合に関して、データの修正を一部検討している段階であり、実際にデータを総合的に修正するまでには至っていない。しかし、輸送機関別、税関別の貿易統計データや船舶動静データの活用に関して、着実に進めることはできた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、貿易統計の修正、貿易統計の貨物流動データと輸送機関の移動データの融合に関して精緻化を進める。平成27年度において、貿易統計の不完全データと異種統計データの融合に関して基礎的な分析を進めたため、この知見を活用して研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度以降に最新のデータを購入するため。
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次年度使用額の使用計画 |
最新の中国貿易統計の購入を予定している。
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