研究実績の概要 |
平成27年度は、経鼻胃管の先端部に配置した3軸検出コイルで検出した磁界値から、その3軸位置を計算するプログラムの開発を実施した。 本年度は、短時間で経鼻胃管先端部(3軸検出コイル部)の位置を計算し、その位置の奇跡を視覚的に、リアルタイムで表示させるプログラムの開発を実施した。ここでは、3軸検出コイル部の位置推定アルゴリズムに、大域的最適解が得られる進化戦略(Evolution Strategy, ES)を導入し、開発を実施した。本手法では、経鼻胃管先端部に3軸検出コイルを設置し、体外に10個の交流励磁コイルを非接触で配置し、交流磁界を印加させ、交流磁界の強さから管先端部の位置(検出コイル位置)を推定する手法を提案している。10個の励磁コイルに0.01秒間隔で1個ずつ交流電流を通電させて、10個の励磁コイル全てから磁界が発生する。この磁界を3軸検出コイルで計測し、位置を計算するプログラムの開発を実施した。全磁界印加時間が約0.1秒であり、その磁界を計測して位置を推定する計算時間は、多少の時間変動を有するが、CPUがCeleron(R) 2.2GHz、メモリが752MBのNEC製ノートパソコンを使用して約0.5秒を実現した。これにより、1ケースの位置推定の合計時間は約0.6秒を可能とした。また位置の推定誤差は、理想的に磁界計測が行われたと仮定すると、0.01%以下となった。
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