ヒト肺細胞を用いた非動物実験によるリチウムイオン電池火災消火ガスの有害性評価を目的とし以下のことが得られた.(1)リチウムイオン電池火災にハロゲン系消火剤FK5-1-12を添加して発生する火災ガスを細胞に暴露させる実験装置が完成した.火災ガス中に存在する可溶性ガスを凝縮水として回収し,連続的な火災ガス暴露実験を確立した.(2) 火災ガス中の凝縮水にガラスが浸食されフッ化水素による実験装置のガラス浸食量が62.7μm/hであった.(3) FK5-1-12の供給量が少ない場合は消火せずに,刺激性のガスが発生する.FK5-1-12と泡を混合させる消火方法は,単体より供給量が少なく消火が可能であった.
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