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2014 年度 実施状況報告書

確率モデルを用いた地域性情報による話者分類

研究課題

研究課題/領域番号 26350466
研究機関科学警察研究所

研究代表者

鎌田 敏明  科学警察研究所, 法科学第四部, 室長 (10356173)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード音声情報処理 / 話者分類 / 法科学
研究実績の概要

音声による話者認識では、声道の共鳴特性に由来するスペクトル包絡から得られるケプストラムに基づく工学的手法の研究が多く行われてきた。一方、日本語の方言や地域性による話者の地域分類は音声学、言語学の分野で扱われ、工学的手法に基づく研究分野ではほとんど行われていなかった。そこで本研究では、発話者の地域分類において信号処理技術による工学的手法に基づき、話者の特徴を表現するケプストラムを利用した統計的地域分類を確立する。話者の地域属性を、確率モデルを用いて客観的手法による地域分類のシステム構築を行うことにより、法科学分野の側面からの安全な社会基盤の構築を目的とする。
電話を通して収録された音声コーパスから関東、関西の居住者データを抽出し、3地域に分類する地域クラスタリングを行うための地域モデルを作成した。次に地域モデルの性能評価を行うため、モデル作成に使用しない各地域の話者データによるクラスタリングの性能評価を行った。その結果、関東の話者は71.3%、関西の話者は60.2%のデータが正しく分類されたが、東北の話者は68.8%が関東地方と判定され、誤って分類された。本実験の手法では、関東、関西の2地方の居住地、出身地分類に対する可能性が示され、モデル作成に利用した特徴量や判断基準、分類方法では関東、関西の2クラスタには適しているが、東北地方を含めた3クラスタへの分類には適していないことが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度は2クラスタへの分類を目標とし、他地域の話者データがどちらに分類されるのかについての検討を行う予定であったため、概ね計画通りに研究は進行している。

今後の研究の推進方策

話者分類のクラスタ数を増やして、3クラスタ以上の地域分類手法に関する実験、検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度は、設備備品費として、音声分析を行うために必要な音響分析システムを購入予定であった。音響分析システムはパソコンと周辺機器及びいくつかのソフトウェアで構成されるものである。現在使用中のパソコンは本研究以外の業務において音響分析や計算処理、文書作成を行っており、また購入後4年程度経過しており、新たなパソコンが必要となるため、予算計上を行っていた。
しかし実験計画のデータ数が2クラスタのための少ない話者データ量であったため、使用中のパソコンによる分析が可能となったため、平成26年度の音響分析システムの購入を見送り、翌年度に購入することとした。

次年度使用額の使用計画

平成26年度に購入予定であった設備備品費として、音声分析を行うために必要な音響分析システムを平成27年度に購入し、大規模話者データ量の分析、実験に対応できるようにする計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 母音間距離を利用した話者の地域性2014

    • 著者名/発表者名
      鎌田敏明
    • 学会等名
      日本法科学技術学会第20回学術集会
    • 発表場所
      ホテルフロラシオン青山(東京都)
    • 年月日
      2014-11-14

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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