研究課題/領域番号 |
26350477
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
小森 次郎 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 講師 (10572422)
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研究分担者 |
佐藤 剛 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (00468406)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 積雪構造の把握の重要性 / 山麓全域の情報共有 / 富士宮口ルート最上部の危険性 / 最上部の登山道の付替え |
研究実績の概要 |
【スラッシュ雪崩】①本研究で対象とした南東斜面においては2005年~09年と比較して規模の小さいものを含めて雪崩発生の頻度が低下している.②2014年の冬~春のような異常な積雪があった場合でもスラッシュ雪崩が頻発することはなかった.これは積雪層内に雪崩発生につながるすべり面が形成されなかったこと,厚い積雪を不安定にさせるだけの降雨が3-5月になかったこと,が考えられる.③助成期間中に東側斜面において発生したスラッシュ雪崩で最も被害の大きかった事象は2018年3月5日に須走側斜面の標高800m付近まで土石流となって流下したものである.本研究によって発生源は須走口登山道標高2100m付近で発生したスラッシュ雪崩であることが確認された.->>今後の課題:これら成果の論文としての公表が途中である.急ぎ進める.また,雪崩に関しては複数の機関で調査・研究が行われているがその情報の共有を行う機会を設けたい. 【落石】現在使われている登山道のうち,最も落石の危険性のある個所は富士宮口登山道の標高3620m~3680mの区間であるが,助成期間中には顕著な地形変化は見られなかった.->>今後の課題:上記区間は登山道に極めて不適であり,早急に西側のブルドーザー道を代替の登山/下山道とすべきである.なお,本研究の期間中に他の業務にて右足親指を怪我したことで,登山を伴う山頂周辺の調査が十分にできず,当初目標としていた岩盤の詳細な状況把握,観測ができず,予算の一部も未執行となった.さらに,申請時に挙げた雪崩・落石発生の実績図と目録,および一般向けの地図の作成・配布を含めた現地への成果の還元についても助成期間中に実施が完了できなかった.助成期間終了後となるが完了を急ぐ.また,落石危険性のある岩盤斜面の計器による観測が望まれるがこれには開山前に登山道自体を封鎖し作業を行う必要がある.
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