本研究は、活断層露頭において、肉眼観察では確認が困難な堆積物中の断層変位基準を定量的に把握する体系的手法の構築を目的とした。主に断層周辺の黒色土において、帯磁率・帯磁率異方性・古地磁気・含水率・強熱減量・C-14年代の測定、火山灰の分析が有効であることを確認した。これらの手法を効率的に適用するために、それぞれの手法の特徴を踏まえて、体系的な作業の流れを検討した。まず露頭において帯磁率を測定し、その後試料を採取する。採取した試料は、古地磁気・帯磁率異方性・含水率・強熱減量を順に測定し、火山灰を分析する流れが効率的である。合わせてC-14年代測定が効果的である。
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