研究課題/領域番号 |
26350488
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
長谷川 修一 香川大学, 工学部, 教授 (00325317)
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研究分担者 |
山中 稔 香川大学, 工学部, 教授 (50264205)
野々村 敦子 香川大学, 工学部, 准教授 (60363181)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 松島 / 巨大地すべり / ボーリング / 砂岩 / 密度 / 吸水率 / 風化 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、東松島市宮戸島の奥松島縄文村歴史資料館の敷地内において、オールコアボーリングを実施し、延長70mのコアを採取した。また、採取したコアを利用して、色彩測定、帯磁率測定、エコーチップ硬度の非破壊試験を行うと共に、室内で密度試験、超音波試験,点載荷試験、X線回折試験を行い、巨大地すべりによって形成されたすべり面(層)の有無について検討を行った。 ボーリングコアは、7.9mで着岩し、基盤岩は軽石凝灰岩、砂岩、凝灰質砂岩の順番で重なっている。深度47.2mに軽石凝灰岩(上位)と砂岩(下位)との境界があり、境界直下の砂岩層のRQDの値は100%から28%になり、割れ目が発達している。また、この部分で帯磁率とエコーチップ反発硬度の値も急に小さくなっている。この砂岩の密度の平均値は1.03(g/cm3)と、上下の軽石凝灰岩の乾燥密度の平均値1.14(g/cm3)と比較して小さいのが特徴である。また砂岩の吸水率の平均値は約34%で、軽石凝灰岩の約25%と比較して、非常に大きな値で、空隙の多い半固結砂岩である。 この砂岩層の深度にすべり面(層)の砂層を想定していたが、未固結の砂層ではなく、半固結砂岩が確認された。この半固結砂岩層は、すべり面(層)の可能性がある者の、現時点では確証は得られていない。このため、29年度は年代測定などを実施するなど、更に検討を進める予定でsる。 なお、深度60.35~60.65mにかけて,色彩の変化が明らかであり,風化が地下深部まで及んでいる。この深層の風化と地すべりとの因果関係の解明も今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りボーリングを実施し、実証用のためのボーリングコアを採取することができた。また、ボーリングコアを利用した、各種試験を実施し、ボーリングコアの特徴を把握した。当初の予想では未固結の砂層に出現を期待していたが、半固結砂岩が確認された。このため、巨大地すべりの発生時期が鮮新世まらさかのぼることも検討する必要が生じた。今後は年代測定と周辺の地質を再検討し、松島巨大地すべり説の検証と実証方法の更なる検討を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
28年度はボーリングコアとして採取された軽石凝灰岩と砂岩の年代測定を行うと共にと周辺の地質を再検討し、松島巨大地すべり説の検証と実証方法の更なる検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
試験機器などの無償貸与を受けることによって物品費を節約し、物品費を現地調査の旅費を確保した。
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次年度使用額の使用計画 |
節約した27年度予算は28年度の現地調査の旅費として活用する予定である。
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