• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

日本三景松島の巨大地すべり説の実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26350488
研究機関香川大学

研究代表者

長谷川 修一  香川大学, 工学部, 教授 (00325317)

研究分担者 山中 稔  香川大学, 工学部, 教授 (50264205)
野々村 敦子  香川大学, 工学部, 准教授 (60363181)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード松島 / 地すべり / ボーリング / U-Pb年代測定
研究実績の概要

東北日本の太平洋側にある松島は,松島湾とその内外にある大小260余りの島々からなる景勝地であり,日本三景の一つに数えられている.松島は仙台平野の浜堤列を突如分断するように,北西から南東方向に張り出すように分布し,周辺の地形と極めて不調和である(図-1).長谷川ほか(2008)は,松島周辺の地形,地質を検討した結果,松島の形成を単なる沈水海岸ではなく,巨大な地すべりによって形成された可能性が高いとの仮説(松島巨大地すべり説)を示した.
松島巨大地すべり説を実証する目的でオールコアボーリング(掘削:70m,孔径:86 mm)を東松島市宮戸島の奥松島縄文村歴史資料館敷地内で実施した(長谷川ほか,2015).すべり層想定深度の47.2m~49.5m には水平割れ目の発達した砂岩がある.
今回,想定すべり面の砂岩から上下の軽石凝灰岩と比較して明らかに若いジルコンのU-Pb年代が確認できれば,砂岩層がすべり面に相当することが実証できると考えて,ジルコンのU-Pb年代測定を試みたが、2.8MaのジルコンのU-Pb年代が得られたMATU2-4は,common Pbの影響を受けている可能性が高い.想定すべり面の上盤側,想定すべり面,想定すべり面の下盤側の3箇所から得たジルコンのU-Pb年代は,MATU2-4を除くとすべて誤差の範囲で一致しており,ほぼ15.2 Maを示した.従って,これらはすべて松島層であると考えられ,年代学的には,地すべり説を積極的に支持する結果は得られなかったと言える.但し,松島層内で地すべりが生じていれば,年代学的には地すべりは検知できないので,地すべりがなかったと判断することもできない.巨大地すべりが生じたかどうかについては,今後も引き続き,別の手法で検討していく予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ジルコンのU-Pb年代の応用地質学的利用について2017

    • 著者名/発表者名
      伊藤久敏・長谷川修一
    • 雑誌名

      応用地質

      巻: 57 ページ: 257-265

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 松島巨大地すべり説実証ボーリングコアの工学的性質とU-Pb年代2016

    • 著者名/発表者名
      長谷川修一,野々村敦子,山中稔,Ting Wang遠藤司,伊藤久敏
    • 学会等名
      日本応用地質学会平成28年度研究発表会講演論文集
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2016-10-26 – 2016-10-27

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi