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本研究の目的は、竜巻に遭遇した列車が受ける空気力を明らかにすることである。本年度は、昨年度までに製作した竜巻状気流発生装置、模型列車走行装置を用い、生成した竜巻状気流の中を走行する列車に加わる空気力の解明を進めるとともに、中間車両に加わる空気力の理論モデルの検証、数値シミュレーション法の開発と検証を主に行った。
まず、竜巻の構造を決定する重要なパラメータであるスワール比と列車に加わる空気力の関係を実験により調べた。その結果、実験を実施したスワール比の範囲内では、竜巻の最大旋回風速が同じならば列車に加わる空気力の最大値に対するスワール比の影響は少ないことがわかった。
また、理論モデルの検証を昨年度に引き続き進め、3両編成列車模型による実験との比較を行った。その結果、中間車両に加わる空気力は、理論モデルから導かれるように走行経路が竜巻中心から離れるにつれ急激に減少するが、竜巻中心の左右どちらに走行経路をとるかによりその傾向は異なることがわかった。また、竜巻の最大旋回風速と列車速度の比の影響についても調べたが、実験を実施した範囲内では大きな違いは見られず、理論モデルの予測は実験結果とほぼ一致した。
さらに、数値シミュレーションにより竜巻中を走行する列車に空気力の解析も進めた。まず、昨年度までに確認した境界条件を用いて竜巻を再現し、竜巻中に静止した列車の周りの流れを計算し、実験と比較した。続いて、変形スライディングメッシュ法を用いて竜巻中を走行する列車周りの流れをシミュレーションし、列車に加わる空気力を実験結果と比較した。シミュレーション結果は実験結果とよく一致することを確認した。
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