加齢骨のモデル物質として、糖化処理骨の力学特性・構造研究を行った。糖化処理は成形したウシ大腿緻密骨試料を、グルコースを含むリンゲル液中で3日から28日間インキュベートした。最終糖化産物の目安として、骨コラーゲンに含まれるペントシジン(PS)量を定量した。PS量は14日目くらいで急激な増加をみせ、28日目では飽和に近づき、微増となった。PS量の増加に伴い、コラーゲン線維中のコラーゲン分子のパッキングに変化は見られていないが、骨コラーゲンヘリックス中のポリペプチド鎖のパッキングに大きな乱れが生じているのが見いだされた。これが骨の巨視的力学特性を劣化させていることが分かった。
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