本研究では、頭部の剛体運動から細胞損傷に至る時間フェーズ・空間スケールを統合した重症脳損傷の総合的評価に向けて、実症例データに基づいた受傷状況再現による脳実質変形メカニズム解明と傷害基準に関する研究と、脳実質変形と神経活動機能との関係性解明を目的とした基盤的研究を実施した。実症例再現においては、家庭内事故、乳幼児虐待、スポーツ事故を対象に研究代表者独自の実験・計算力学モデルを用いることにより再現し、実事故における頭蓋内脳挙動と脳実質変形メカニズムの解明を行った。神経活動機能評価においてはラットによる動物実験により脳実質変形に伴う軸索損傷と神経伝達の定量的機能評価を行った。
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