研究課題/領域番号 |
26350497
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
村井 久純 金沢大学, 大学病院, 助教 (80456417)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 交感神経活動 / 心不全 |
研究実績の概要 |
慢性心不全における交感神経活動の亢進は、病態の進行に中心的な役割をはたしている。高血圧患者に対する腎交感神経アブレーションが、近年、欧米を中心に行われている。我々は、心房内容量負荷による単一筋交感神経活動の記録を世界で初めて成功し、心不全における交感神経活動の亢進が、心房内の求心性交感神経刺激受容体を介していることを明らかにした。このことは、心不全における心臓内の求心性交感神経活動の亢進が、新たな治療のターゲットになりうる可能性を示唆していた。本研究の目的は、ヒトにおける求心性心臓交感神経受容体の局在同定を試みるとともに、心臓内アブレーションにて交感神経活動を抑制できるかを評価し、心不全治療に応用できる可能性を検討することである。 研究方法として、心房内の求心性心臓交感神経受容体の局在同定を試みるために、心臓内アブレーションの治療適応となっている発作性心房細動の患者において、心房細動アブレーション時における筋交感神経活動の同時を測定することを検討した。まず、研究の開始段階として、心臓アブレーションが保険適応となっている心房細動患者を対象に、筋交感神経活動が影響を受けているかを評価した。 これまでに、5名の発作性心房細動の患者に術前後で筋交感神経活動を計測し終えている。また経過観察期間を含め、合併症などもなく現在順調な結果を得ている。今後も対象症例の予定は立っており症例が蓄積されると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例数は、5例であるが、対象患者の予定はすでに計画されている。発作性心房細動患者の予定は20例であるが、本年で、到達できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本計画は4年間で、最初の2年で、心臓機能の正常な発作性心房細動患者で次の2年で心臓機能障害のある発作性心房細動患者を対象にする予定である。心臓機能障害のある患者は症例数が少ないため、本年から、順次登録していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に、交感神経活動計測器であるpower labを購入する予定であったが、以前から我々の施設で使用しているneuro pacが修理により何とか本年は使用可能であったため、次年度以降に購入することにした。そのため、この未使用額は、次年度以降に繰り越しとしてある。
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次年度使用額の使用計画 |
繰越し金および、物品費にて、現在使用している機器が修復不能となった場合に、この経費にて機器を購入する予定である。
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