研究課題
慢性心不全における交感神経活動の亢進は、病態の進行に中心的な役割をはたしている。高血圧患者に対する腎交感神経アブレーションが、近年、欧米を中心に行われている。我々は、心房内容量負荷による単一筋交感神経活動の記録を世界で初めて成功し、心不全における交感神経活動の亢進が、心房内の求心性交感神経刺激受容体を介していることを明らかにした。このことは、心不全における心臓内の求心性交感神経活動の亢進が、新たな治療のターゲットになりうる可能性を示唆していた。本研究の目的は、ヒトにおける求心性心臓交感神経受容体の局在同定を試みるとともに、心臓内アブレーションにて交感神経活動を抑制できるかを評価し、心不全治療に応用できる可能性を検討することである。研究の方法として、発作性心房細動患者において心臓内アブレーション前後における筋交感神経活動の変化を評価することを第一段階として実行している。現在までに、7例の発作性心房細動患者においてのアブレーションにおける。交感神経活動の変化を検討している。慢性効果におけるfollow upを現在継続中である。試験期間中に重篤な合併症は認めず経過は良好であると考えている。
3: やや遅れている
発作性心房細動患者のリクルートが困難となっている。現在、除外基準の変更を考えており、症例の蓄積が必要である。7例まで登録してあるが、当初の10例を下回っており早急に改善することを考えている。
平成28年度より、心不全を伴った心房細動患者における交感神経活動評価を心不全のない群と並行して検討して行く予定である。心不全症例も10例をまず目標に登録を行って行く予定である。
平成27年度に症例数を当初の目標まで3例の予定をしていたが、リクルートすることができなかったため、交感神経活動評価に必要であるタングステン電極を購入する必要がなくなった。次年度に、症例登録は継続して、電極の購入を行うこととしている。
微小電極の随時購入及び、解析に使うコンピューターの購入を予定している。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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