研究実績の概要 |
カンプトテシンを元に医薬市販品となったイリノテカンの活性部位(SN38)に、高水溶性化試薬である対称分岐型オリゴグリセロール(BGL)を連結したSN38-BGL003,SN38-BGL007の合成の大量化と高再現性を進めた。該当年度はBGLの安価大量合成の手法を進め、従来の特許化された手法を大きく改善した製造法に成功した。従来の特許では、ホルムアルデヒドで1.3位を保護した原料を用いていたが、1,2位の保護体が20%程度混ざるため、その分離に化学反応を2段階要した。一方、今回はアセトアルデヒドで1,3位を保護した原料を試した。これらは1,3位:1,2位=50:50で混ざるが、精留により1,3位体が>99%で分離できるため、精留中に固体酸を共存させ異性化しながら精留することで化学収率も選択性も>95%以上となった。以上の手法で1回の操作で700gの原料を簡便に入手できた。これを元に容易にBGL003, BGL007の大量供給ができた。
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