研究課題/領域番号 |
26350508
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
矢澤 徹 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (30106603)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | DFA / 心拍 / 危険脈 |
研究実績の概要 |
不整脈を防ぎ心臓の健康を維持するには、体温(37℃)や血液のpH(7.4)のような基準値による健康管理が望ましいと考え、定量的検査を可能とすべくmDFAを開発してきた。どんな技術も役に立って初めて意味を持つ。本年度の特筆されるべき実績は、これまでの事例研究をつかいmDFAの有効性を実証した、単行本を出版したことである。(ASMEアメリカメカニカルエンジニア学会出版)これで読者の誰もが、自分の目的に合った計測装置を作成してmDFを応用することが可能になった、と評価し期待している。 具体的作業の内容は(1)モデル動物(甲殻類のLobsterやカニ)の心拍を計測したデータをもとにして時系列解析を実施し、健康不健康について研究したこと、また、(2)人の心電図をボランティアから採取し、同時にインタビューし、健康不健康について研究したことがあげられる。とりわけ今年度は、危険脈の発生の原因を、心拍特性の定量化とイオン機構のシミュレーションの両面から追求し、論文が発表できた点で評価できる。 このように、研究に見通しが立ったので研究は順調に進展していると総括している。 今後の予定として、(1)定量的判定技術により、危険脈に陥る際のボーダーライン状態を数値定量解析し、いつどのような状況がボーダーになるのかを深く追求すること、また(2)筆者独自の長年にわたる生理学的研究成果である甲殻類心臓神経の心臓制御の生理学を基礎として、北島先生(香川大工学部)が作成した、心拍調節の数理モデルを駆使して、(1)心筋細胞のダイナミックな反応機能(2)ペースメーカ細胞のリズム発生の機能および(3)心臓調節神経の心臓調節機能(これはいわゆる自律神経機能、正負の帰還回路反射調節)、を総合的に考えてゆく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不整脈を防ぎ心臓の健康を維持するには、体温(37℃)や血液のpH(7.4)のような基準値による健康管理が望ましいと考え、申請者は定量的検査をねらってmDFAを開発してきた。しかし、どんな技術も役に立って初めて意味を持つのであり、この心拍の特性を数値化するmDFA技術が真に社会貢献できるように研究している。本年度2014年度の特筆されるべき実績は、mDFAの基本原理を解説するため、これまでの事例研究を集大成してASME(アメリカメカニカルエンジニア学会出版)から単行本を出版したことである。 これで読者の誰もがmDFAを自分のコンピュータを使い、自分の都合に合わせて独自にプログラムを作成して、自分の目的に合った計測装置を作成してmDFを応用することが可能になった、と評価し期待している。mDFA研究はまだ緒についたばかりである。今後さらにmDFA技術を洗練させるため、いつどこでどのパラメータをどれだけの時間長で計測するか、などの細密な研究をする必要がある。これには香川大学の北島博之先生との共同作業が大変役に立っている。 具体的に達成された作業の内容として、(1)モデル動物(甲殻類のLobsterやカニ)の心拍を計測したデータをもとにして時系列解析を実施し、健康不健康について研究したこと、また、(2)人の心電図をボランティアから採取し、同時にインタビューし、健康不健康について研究したことがあげられる。とりわけ今年度は、危険脈の発生の原因を、心拍特性の定量化とイオン機構のシミュレーションの両面から追求し、論文が発表できた点で評価できる。このように、研究に見通しが立ったので研究は順調に進展していると総括している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方策として、(1)定量的判定技術により、危険脈に陥る際のボーダーライン状態を数値定量解析し、いつどのような状況がボーダーになるのかを深く追求すること、また(2)筆者独自の長年にわたる生理学的研究成果である甲殻類心臓神経の心臓制御の生理学を基礎として、北島先生(香川大工学部)が作成した、心拍調節の数理モデルを駆使して、(1)心筋細胞のダイナミックな反応機能(2)ペースメーカ細胞のリズム発生の機能および(3)心臓調節神経の心臓調節機能(これはいわゆる自律神経機能、正負の帰還回路反射調節)、を総合的に考えてゆく。総合的とは、これら3者(心筋細胞というポンプになる機能の根源、ペースメーカ細胞というリズムを管理する機能のもと、そしてペースを制御する機能である神経によるダイナミックな支配様式)を数理モデルに組み込み、ヒトではできないような、しかし動物実験で検証可能な、危険条件を探る研究を推し進める予定である。他に類を見ないような、動物実験と数理シミュレーションを組み合わせた研究を進めてゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内日帰り旅費で端数が生じたため、数千円を次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
国内旅費の一部として使用する。
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