研究実績の概要 |
本研究の目的は、以前から行っていた人工関節の手術中関節反力計測を発展させ、「長期使用に耐えうる関節反力測定装置を設計・製作し、手術中に関節反力をワイヤレス計測すること」であった。肩関節を主な対象としている。前半(平成26-27年度)は、ワイヤレス化を目指して研究を行い、実験室レベルでは無線でデータ通信の確認は行えた。しかしその後は、手術中計測に使用するにはもう少し小型化が必要であること、IRB (Institutional Review Board) の申請に時間がかかることなど実際にやってみて発覚したことも多かった。平成28年初頭より、膝関節にて先行する米国内のベンチャー企業Orthosensor, Inc.がこの研究をサポートしてくれることが可能となった。この共同研究により、この研究は商品化へ向かうこととなったが、その時点での大幅な設計変更も余儀なくされた。設計変更としては、リバース型を想定したデザインで、上腕骨側にセンサを埋め込むコンパクトな物となっている。これにより、アナトミカル型においても流用が効くという利点も持ち合わせている。次に予定していた実際の手術中計測であるが、その前にcadaverを用いた計測が適切であると判断し、最終年度はそこを目標としその計測を行った。これは、本研究の最終年度に国際共同研究加速基金に採択されたため、可能となったことである。つまり、本研究は最終年度に、兵庫県立大学からフロリダ大学に場所を移動して行った。よって、Cadaverによる計測(日本では行えないためアメリカにて行った)が可能となった。計測の結果は後の学会(論文)にて発表予定である。
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