本研究では,微小循環障害を有する様々な疾患患者に対して,マイクロチャンネル法による赤血球形状回復過程を,粘弾性力学モデルに基づいて定量評価した. その結果,糖尿病性腎症患者については,透析が必要なG5ステージで有意な変形能低下を検出したが,それまでの移行期については検出することができなかった.糖尿病と同様に微小循環障害が見られる膠原病患者については,形状回復時定数が健常者と比べ低下し,各患者間のばらつきが大きくなる傾向にあり,疾患との関係をデータベースとすることができた. また高精度高速な検査を目指し,シースフロー型とすることで,変形能だけで無く懸濁液粘度も計測できる可能性が示された.
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