研究課題/領域番号 |
26350525
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部) |
研究代表者 |
遠藤 卓行 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, 研究員 (40573225)
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研究分担者 |
佐古田 三郎 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (00178625)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生体制御治療 |
研究実績の概要 |
(1)高照度光療法(BLT)前後での運動症状および非運動症状の評価、解析 平成26年度だけで新たに42例のパーキンソン病患者に対してBLTを導入した。運動症状の評価についてはリハビリテーション室での10m歩行の時間と歩数、3mTime-up-go test、functional reach testなどで行った。また、指タップ運動計測装置、筋トーヌス計測装置による患者計測も行い、データを蓄積した。非運動症状については、患者自身が記入する症状日誌からのデータ抽出(オン時間、オフ時間、夜間睡眠時間、夜間トイレ回数など)、Head up tilt試験による自律神経機能計測および解析を行い、データを蓄積した。 (2)パーキンソン病患者のBLT治療に最適な治療プロトコルの開発 光源のタイプを多色光と単色光の2種類で比較することを検討し、多色光でBLT実施中の患者に単色光(green light)への切り替えを試したところ、多色光で睡眠改善効果が得られた患者が単色光では不眠になるなど、良い効果が得られなかった。そこで、光源は多色光のままとし、光の照射時間を患者ごとにオーダーメイド化する新たな治療プロトコル開発を目標とした。山口大学時間学研究所明石研究室との共同研究で、パーキンソン病患者の毛根細胞から体内時計を計測し、それをもとに光照射の最適時間を決める研究を開始した。 (3)成果発表:第55回日本神経学会学術大会において「パーキンソン病に対する高照度光療法(第一報)-Night-time problemsへの効果」についてポスター発表を行い、高い評価を得た(平成26年5月21日、博多)。また、「目に光を照射すると、パーキンソン病が改善するって知っていますか?」というタイトルで市民公開講座を開催し、好評を得た(平成26年10月2日、大阪)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パーキンソン病患者に対してBLTを試行し、平成26年度だけで42名の患者について運動症状、非運動症状のデータが得られている。また、BLTの最適化に向けた新たな研究の準備も整っている。
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今後の研究の推進方策 |
パーキンソン病患者のBLTについて引き続き、データ解析、蓄積をすすめる。 BLTに最適な光源の開発については、単色光で良い結果が得られなかったため、計画を変更し、光の照射時間を患者ごとにオーダーメイド化する治療プロトコル開発を新たな目標とした。山口大学時間学研究所明石研究室との共同研究で、パーキンソン病患者の毛根細胞から体内時計を計測し、それをもとに光照射の最適時間を決める研究について当院の臨床研究審査委員会で承認され、準備が整ったため平成27年度から推進していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助員の雇用開始時期が遅れたこと、生体センサなどの物品の納品が次年度にずれ込んだこと、海外共同研究者の旅費が見積額より下回ったことなどによる。
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次年度使用額の使用計画 |
データ解析作業の効率化のため、研究補助員の雇用を増員し、その謝金に充当する。また山口大学と新たに共同研究を開始したことにより、共同研究者が患者検体採取に当施設を訪問する旅費が新たに生じることになるため、それに充当する。
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