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2015 年度 実施状況報告書

高照度光装置を用いたパーキンソン病新規治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26350525
研究機関独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部)

研究代表者

遠藤 卓行  独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, 研究員 (40573225)

研究分担者 佐古田 三郎  独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (00178625)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード生体制御治療
研究実績の概要

(1)高照度光療法前後での運動症状の評価、解析:【方法】パーキンソン病患者21例に対して、光療法を12週間施行した。光療法導入前と12週間施行後の2点で、UPDRS(Unified Parkinson Disease Rating Scale)スコアを評価し、またリハビリテーション室で10m歩行の時間と歩数を計測した。【結果】光療法の前後でUPDRS part IIIにおいて1点以上の改善を示した患者は21例中9例であった。また10m歩行時間についても有意な改善が得られ、運動症状への効果が明らかになった。

(2)パーキンソン病患者の光療法に最適な治療プロトコルの開発:パーキンソン病患者の光療法最適化に向けて、毛根による末梢の時計遺伝子発現の概日位相を検討した。まず問診票による睡眠評価(JESS、PDSS-2)を実施し、被験者は起床・食事・就寝時刻などを一週間以上一定に保った。試験日には24時間にわたって、6時間ごとに毛根(髪の毛またはあご髭から)を5本程度採取した。毛根に付着した細胞から、時計遺伝子の発現量(Period3、Nr1d1、Nr1d2など)を測定し、概日時計位相を決定した。以後、12週間以上BLTを継続した時点で、再度睡眠評価および毛根採取を行った。その結果、12週間BLT施行できた患者のうち、睡眠評価が改善した患者においてPer3遺伝子発現量の位相が後退している傾向がみられた。BLTは末梢の時計遺伝子発現の位相をずらすことでサーカディアンリズム障害を改善させている可能性があることがわかった。

(3)成果発表:第33回日本神経治療学会総会(2015年11月28日、名古屋)において上記(1)の内容を「パーキンソン病に対する高照度光療法(第二報)―運動症状への効果」として口演発表し、高い評価を得た(神経治療学会より学会誌への投稿依頼あり)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

パーキンソン病の運動症状に対する高照度光療法の効果について解析を行い、良好な結果を得た。また治療の最適化に向けて、毛根による概日リズム評価の研究が進展している。

今後の研究の推進方策

パーキンソン病に対する高照度光療法の効果について論文にまとめ、国際英文誌に投稿する。光療法の最適化に向けて、毛根による概日リズム評価のデータを蓄積し、患者ごとの最適な光療法実施時間を決定するためのプロトコルを確立する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] パーキンソン病に対する高照度光療法(第二報)―運動症状への効果2015

    • 著者名/発表者名
      遠藤 卓行
    • 学会等名
      第33回日本神経治療学会総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2015-11-26 – 2015-11-28

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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