抗原性の高い微生物抗原の遺伝子を腫瘍細胞に導入し、「人工ネオ・アンティジェン」として免疫システムに認識させることで抗腫瘍免疫を惹起するシステムを考案した。膜結合性のESAT-6、および分泌型のAg85Bを同系坦癌モデルマウスに遺伝子導入すると、どちらも著しい抗腫瘍効果を示し、T細胞、単球系細胞の腫瘍組織への高い集積が見られた。両抗原の効果に差はなく、生合成された抗原は異種タンパクとして分解され、ネオ・エピトープとして提示されて免疫系細胞に働きかけると考えた。この仮説を証明するため、ネオ・エピトープを提示したエクソソームを調製し、その抗腫瘍細胞性免疫誘導効果を確認した。
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