研究課題/領域番号 |
26350537
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 隆治 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任准教授(常勤) (40432546)
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研究分担者 |
佐藤 嘉伸 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (70243219)
菅本 一臣 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40294061)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 画像処理・認識 / 情報工学 / 骨関節 / 3次元動態 / 統計動態モデル / 機能診断 / 手術支援 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
骨関節統計動態モデル(正常・健常な統計動態モデルおよび病態統計動態モデル)を応用した高度な関節機能診断・手術支援システムの開発を最終目標として、本年度(平成26年度)は、(1)骨関節医用画像データベースの整備、(2)骨関節3次元動態解析と解析結果の分類、(3)病態統計動態モデルの構築、を試みた。 骨関節医用画像データベースの整備については、特に、人工膝関節と膝関節を対象に、X線動画像による動態データ(スクワット動作など)、CT画像による形態データを取得し、人工膝関節と膝関節のそれぞれについて計60症例程度のデータを収集することができた。 次にそれぞれの取得したデータを用いて、従来の2次元/3次元画像位置合わせ技術、および骨関節統計動態モデルに基づく自動計測・解析手法を併用しながら、人工膝関節、膝関節の精密な3次元動態解析と、解析結果の分類を行った。人工膝関節と膝関節の両関節において、人工膝関節は手術方式(人工関節の設置状態や靭帯切除の有無など)、膝関節は疾患(変形性関節症や靱帯損傷など)ごとに分類できるだけの十分なデータ数が得られていなかったため(例えば、膝関節の変形性関節症は6例)、本年度は2クラス(正常クラスと異常クラス)のみに大きく分類して研究を進めた。 病態統計動態モデルの構築は、人工膝関節、膝関節の各々に対して前述の異常クラスの関節動態解析データを使用し、関節動態の多様性を効率よく記述する手法(平均動態とバラツキを推定するモデリング法)を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人工膝関節および膝関節のX線動画像による動態データ、CT画像による形態データにおいて、最低目標の50例以上のデータを収集、解析することができたため。また、解析結果を正常クラスおよび異常クラスの2クラスに分類することができ、異常クラスの関節動態解析データを用いて、病態統計動態モデルの開発、構築に着手することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
開発した病態統計動態モデルを、正常・健常な骨関節統計動態モデルとともに、2次元/3次元画像位置合わせ技術に導入・実装し、高度関節機能診断・手術支援システムのプロトタイプを完成させる。また、交差検定によってシステムの精度評価を行う。人工膝関節と膝関節の両関節において、人工膝関節は手術方式(人工関節の設置状態や靭帯切除の有無など)、膝関節は疾患(変形性関節症や靱帯損傷など)ごとに分類できるだけの十分なデータを収集、解析し、より高性能なシステムの開発を行う。さらに、人工股関節に対してもデータベースの整備、3次元動態解析および解析結果の分類を行い、病態統計動態モデルの改良・拡張を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な原因は、システム開発用計算機(ワークステーション)の購入を保留し、現有するPCおよび新しく開発した高速プログラムにより、データベース整備、病態統計動態モデルの構築等、対応したためである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、異常クラスを含めた十分なデータ収集、様々な動きや他関節への応用といった大規模画像計算を予定しており、高度関節機能診断・手術支援システムのプロトタイプを開発するため、システム開発用計算機を購入する予定である。また、請求する研究費は、主にシステム開発に必要な物品費や成果発表の費用(旅費)として使用する予定である。
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