研究課題
1.7μm帯Optical coherence tomography(OCT)の性能を可変減衰器付きファイバリフレクタを用いて評価した。干渉計内のミラーで光路長差を変えた時の反射プロファイルの結果から、深さ分解能は18μm、ロールオフによる6dB減衰幅は2.9mmと求まり、前述の理論値とほぼ同等であった。また反射強度がノイズフロアと同等になるリフレクタの減衰量を感度と定義して、干渉計内の可変減衰器で参照光量を調整した時の感度の傾向を調べた結果、Fig.3に示すように47kHz のAスキャン速度での最大感度は104dBとなり、文献を元に本構成における光強度および光損失の実測値から算出した感度の理論曲線(実線)とも傾向が一致した。プラークにおける脂質のファントムとして食用ラードを注入したチューブを用い、豚の頸動脈片に挿入したサンプルをin-vitro血管モデルとして実験を行った。OCTカテーテルを挿入し5660rpmで回転しながら4mm/sの速度でプルバックして、47kHzのAスキャンにより1フレームあたり500ラインの断層像を描出した。帯域分割で得られた断層像群に分光OCTを適用して、脂質成分分離における平滑化、補正による擬陽性低減および空間フィルタによる雑音低減により脂質判定の最適化を行った。通常断層像では血管と脂質の両方を確認できるが、脂質分布像では脂質の領域のみスコアが高くなっている。また、点線で示した領域における脂質判定の感度および特異度は同等となる閾値において98%以上を示した。検出できた脂質をこのOCT画像上にカラーで表示した。
2: おおむね順調に進展している
本研究で使用するCompovision-OCTの試作機は既に完成しており、体外の脂質を標的として分光アルゴリズムの調整も順調に完了させることができた。
Compovision-OCTは、TCFAの特徴とされる大きな壊死性脂質性コアを検出できる可能性がある。病理解剖例の冠動脈からTCFAを選出し、Compovision-OCTによるTCFA同定の感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率、正確度を評価する。
3000を超える、病理組織標本とOCT画像と、カラー表示や三次元画像構築のために必要な高性能コンピュータと保存用ハードディスクドライブが必要であるが、現在使用中のものを継続して使用し購入を延期したため。
購入を延期した、高性能コンピュータおよび記憶媒体(外付けハードディスク・CT・DVDなど)の購入にあてる。
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