研究課題/領域番号 |
26350546
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
足立 吉隆 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (70407229)
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研究分担者 |
中村 朝夫 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50155818)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 人体模型 / マネキン / 手術訓練用マネキン / シリコーン / 紫外線硬化オイル / 紫外線硬化ゲル / 光重合開始剤 / 寒天 |
研究実績の概要 |
本年度は1)立体形状の造形と,2)血管や心臓などのような空洞の造形に注力した.まず,これらを行うために必要な,独自開発した人体模型造形装置の自動摘下プログラムの開発をした.積層造形装置で1層を作るには,装置内部の穴あきプレートに開けられた30×30個の穴に紫外線硬化オイルを摘下する必要がある.開発したプログラムにより,CTやMRIなどの画像から5階調グレースケールの人体模型を積層造形することが可能になった. 1)立体形状の造形では,穴あきプレートの穴に入れた紫外線硬化オイルに発生する気泡が問題であった.ディスペンサのニードルから1回に滴下する紫外線硬化オイルの量を187nlとし,これを6回繰り返すことで穴あきプレートの穴に気泡を発生させず,所定の量の紫外線硬化オイルを穴に入れることが可能となった.気泡のないシートを積層することで立体の造形が可能になった. 2)血管や心臓などのような空洞の造形では,空洞にする部分の穴に寒天水溶液を滴下することにした.穴あきプレートを引き上げることで,紫外線硬化オイルの中に寒天水溶液が入り込んだシートができる.これを硬化,積層することで立体造形をし,加熱することで寒天が溶解して空洞を作る.このときに紫外線硬化オイルと寒天水溶液の比重を同じにする必要があった.また遠赤外ヒータでディスペンサのニードルを湯煎したり,超音波加湿器で加湿した空気をドライヤで加熱してニードルに当てたりして,寒天水溶液を安定に滴下する必要があった.メタクリルシリコーン(X22-164C,信越シリコーン)に光重合開始剤(2-Hydroxy-2-methylpropiophenone,東京化成工業)を混合した紫外線硬化オイルと寒天水溶液(1.0wt%)を利用して空洞造形実験を行った.寒天水溶液1360nlを2×2の穴に滴下したとき,直径1mm の空洞を造形することができた.
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