本研究では、pyrrolidine tris-acid fullerene (PTF)と超音波により誘発される抗がん作用とその機序におけるアポトーシスの関与を調べた。生成された活性酸素種が殺細胞効果に与える影響を4oxoTEMPOの生成で調べた。この結果、一重項酸素の生成を確認し、その殺細胞効果への関与を認めた。次に、固形腫瘍にPTFと超音波の併用処置を行い、腫瘍増殖の抑制を確認した。さらに、HL-60において抗腫瘍効果におけるアポトーシスの関与を検討し、アポトーシスの特徴的な形態学的変化およびDNA断片化が認められた。これらから、音響化学的なアポトーシスのがん治療への応用が示唆された。
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