研究課題/領域番号 |
26350554
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
久米 恵一郎 産業医科大学, 医学部, 准教授 (20320351)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 軟性内視鏡ロボット / 操作支援 / 内視鏡治療 / 力覚フィードバック |
研究実績の概要 |
経口・経肛門的に挿入して行われる軟性内視鏡(消化器内視鏡)治療における手技の長時間化・複雑化・高度化は、ウイスキーの瓶の中で帆船を組み立てるような作業を強いられ、1本の消化器内視鏡での視野の保持とデバイス処置の協調操作で可能な手技の技術的・肉体的限界を超えつつある。帆船はウイスキーの瓶の中で組み立てれば時間も労力も技術も要するが、机上で組み立てれば、左程のエネルギーも要さない。内視鏡治療も手技自体は単純な行為が大半であるから、机上で行うかのように病変や臓器を手で支えながら切除・切開できれば、極めて容易となるのは想像に難くない。そこで、この協調操作を解体し、あたかもウイスキーの瓶の中から取りだしたような作業を可能とするマスタスレーブ型ロボットの開発により早期消化管癌をはじめとする内視鏡治療を容易化・短時間化・平準化することが本研究の最終目的である。 本年度は、システムには負担となる力覚フィードバック機能が必須か否かを試験し、必須であること及び、治療ロボットとしての専用鉗子の開発にトライアンドエラーを重ねた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
力覚フィードバック機能をマスタスレーブ型ロボットとして3号機を開発して、安定した成果を得たが、スペックの絞り込みも重要な課題であり以下検討した。力覚フィードバック機能の搭載は、システムの大型化・複雑化・将来的にはコスト高の一因であり、もしこの機能の有用性が低いのであれば、非搭載とすべきである。そこで、今回EOR ver.3に力覚フィードバック機能が作動しないプログラムを新たに開発して追加したので、同機能の有無による操作性の差異を検討して、その有用性を明らかにしている。現在、5人の内視鏡医による結果では有用性を認めている。 また、治療ロボットとしての専用鉗子が一部マニュアル動作化可能な水準となった。
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今後の研究の推進方策 |
力覚フィードバック機能の必要性を確定した成果報告と、治療ロボットとしての鉗子機構で動物試験等の一定の結果を提示することを来年度の目的とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度へ継続する鉗子ロボットの開発費に必要と考えられ経費を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
ロボット部品の物品費に充当する。
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