マクロポアフィルター上に、医療機器材料の細胞毒性試験で最も多用されるチャイニーズハムスター肺線維芽細胞を播種し、その直下から刺激電流を通電し、7日間に渡り通電した。電極の電荷注入能力付近では細胞コロニーの形成が阻害され、毒性のある対照材料による間接接触評価と同等の結果が得られた。このような評価系により電気刺激による安全性を培養細胞を用いて行うことができた。 神経芽細胞腫雑種細胞NG108-15 (マウス神経芽細胞種 N18TG-2/ラットグリオーマ細胞C6Bu-1 ハイブリッド細胞)を Multielectrode array (MEA) 上に播種し、自発発火電位の連続記録を行った。5% 二酸化炭素でパージした培地を灌流することにより長時間の神経活動の連続記録を可能にした。 また、5% 二酸化炭素でパージした培地を灌流する方法以外に、緩衝液にHEPESを用いずに長期記録が可能かを検討した。培地灌流を用いない方法は二酸化炭素インキュベーターを用いずに培地pHを至適にでき実験系はより簡便である。しかし、神経細胞を増殖できることは確認できたが、自発スパイクの発生は確認できなかった。神経応答の連続記録は重炭酸バッファーを用いたガスパージしながらの培地灌流法が最適であることが確認できた。MEA上の記録電極から刺激電流を流し神経細胞刺激を行えることを確認した。 今後は、開発した実験系を用い、実際に赤外線刺激やphotoactive moleculesを用いた光神経刺激など、新しいNeural interfaceへの応用に取り組んでいく。
連携研究者:桑原真理子 (九州大学大学院医学研究院保健学部門検査技術科学分野)
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