研究分担者 |
西原 一秀 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30253892)
中村 典史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60217875)
松永 和秀 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (80368323) [辞退]
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
増田 正彦 九州大学, 人文科学研究院, 助教 (40614053)
團迫 雅彦 九州大学, 人文科学研究院, 専門研究員 (50581534)
光安 岳志 九州大学, 大学病院, 助教 (00380519)
辻口 友美 (中間友美) 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (00423559) [辞退]
手塚 征宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50759777)
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研究実績の概要 |
鼻咽腔閉鎖機能不全を有する患者の構音障害が長期化するリスク因子について検討した。その結果、従来、鼻咽腔閉鎖機能不全に関与が深い構音障害が長期的に観察すると、口蓋化構音に移行している症例が散見され、口蓋化構音も鼻咽腔閉鎖機能不全との関連が示唆された。この内容を米国オハイオ州コロンバス市で開催されたInternational Velopharyngeal Dysfunction Symposiumにて報告した。 また、口唇口蓋裂患者で口蓋化構音が認められた患者20名の聴覚判定を盲目検査で行った。評価者は音声学を専門とする研究者2名と小児の構音障害の臨床経験が30年の言語聴覚士である。評価項目は、事前に録音した音節の音声データ(/asa/, /ata/, /oto/, /utsu/, /ishi/)である。評価方法は、国際音声字母に基づき、聴覚判定され、転記された音をスコア化したbacking score表と、構音点の前後を示す+/-の補助記号を加えた12段階のbacking score表を2種類作成し、評点化を行なった。評価者内および評価者間の一致度をκ係数で評価した。 その結果、評価者間の一致度は、破裂音の/ata/ 、/oto/の一致度は高かったが、摩擦音、破擦音の/asa/、/ishi/および/utsu/は低かった。評価者内においても、/ishi/の一致度が他の音節に比べて低い傾向が伺われた。 以上のことから、backing scoreでの評価は構音点のズレを評点化することで、構音点の同定がしやすいが、音の種類によって、判定にバラツキがでると思われた。今後は、さらにより一致度が高い評価方法を検討し、本邦で懸案となっている口蓋化構音の細分類の指標にならないかと推察された。詳細は第61回日本音声言語医学学会にて発表する予定である。
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