研究課題
本邦の脳卒中患者は約280万人と推計され、運動麻痺や痙縮などによる機能障害や日常生活動作(ADL)、生活の質(QOL)の低下は、患者やその家族にとって大変深刻な問題である。今後の高齢化社会の進行を勘案すると、加齢性疾患である脳卒中及び加齢自体に伴う機能障害の回復をより促進する包括的リハビリテーション法の開発は急務である。そこで我々は脳卒中後の片麻痺などの運動障害に対して麻痺肢の運動コントロールや機能回復を促進する新たな運動療法として促通反復療法を開発してきた。さらに片麻痺に伴う痙縮に対して独自に考案したハンディマッサージャーの利用による振動刺激痙縮抑制法(DAViS)などの振動刺激との併用療法や、持続的低振幅神経筋電気刺激法(cNMES)との同時併用療法などを用いた新たなアプローチへと発展させている。本研究課題では、これらのアプローチの適応や効果の確認を行うと共に脳活動への影響を解明すべく研究を進めた。今回、片麻痺に強制把握を伴う運動障害に対してボツリヌス療法やcNMESなどの複合的リハビリテーションによって改善を呈した症例の脳活動の変化について機能的近赤外脳機能イメージング(fNIRS)装置にて確認した所、cNMESの使用によって、より限局した部位へと変化が生じることが確認された。さらに我々は核磁気共鳴断層画像装置(MRI)内で振動刺激の効果を検証できるようにエアータービン式振動刺激装置を開発の上、性能確認試験を実施し特許を出願した(P170013910)。また、本装置によって脳機能画像(fMRI)が撮像可能であることを確認した。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
Case Rep Neurol Med
巻: 29 ページ: 212-215
10.1155/2017/1028390
http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~rehabil/ptot_reha.html