本研究では、脳卒中片麻痺患者を対象として、手首の屈曲伸展運動を他動的に行う装置を構成し、手関節の筋緊張異常を定量的に測れる可搬型検査システムを開発した。筋緊張の異常による抵抗は、他動的な筋の素早い伸長によって顕著に現れる。本装置は、安全性を配慮したうえで屈曲伸展運動の速度を可変とし、ロードセルとエンコーダを用いて抵抗力と手関節の角度を測れるように構成した。150回以上の健常者を対象とした動作試験を経て、鹿児島大学病院臨床研究倫理委員会から臨床研究の承認を得ることができた。6名の脳卒中片麻痺患者を対象とした臨床試験の結果、開発した検査システムの実施可能性を確認することができた。
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