研究課題/領域番号 |
26350576
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松元 秀次 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80418863)
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研究分担者 |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30325782)
野間 知一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 作業療法士 (10535793)
川平 和美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (20117493)
緒方 敦子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40305123)
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 電気刺激療法 / 脳卒中 / リハビリテーション治療 / 近赤外線分光法 / 電気生理学的検査 |
研究実績の概要 |
脳卒中後に生じる片麻痺に対する治療として、新たな電気刺激療法を開発し、その効果や作用メカニズムを検証する。新たな電気刺激療法とは、これまで表面電極では困難とされてきた手指などの個々の筋肉を選択的に電気刺激ができ、随意的な筋収縮に合わせて刺激可能なシステムである。 本研究では、この電気刺激療法を用いて片麻痺上下肢の筋を選択的に刺激することで、片麻痺に対する新しい治療法を確立する。また、作用メカニズムの検証のために近赤外線分光法(fNIRS)や電気生理学的検査(筋電図検査)を行い、脳の可塑性発現の実証ならびにさらに効果的治療の開発を行い、機能回復を促進するリハビリテーション治療の確立を行う。 経過としては、平成26年度は「電気刺激療法の効果の確認」と「近赤外分光法や電気生理学的検査」を中心に行った。「電気刺激療法の効果の確認」においては、手指伸展や手背屈、肩屈曲、足背屈などの目的とする運動を確認し、最も筋収縮を誘発する刺激ポイント(モーターポイント)の特定を行い、随意運動と電気刺激を同期させ反復する方法にて効果的に電気刺激治療を行うことができた。「近赤外分光法や電気生理学的検査」においては、電気刺激療法の介入による脳の可塑性発現(可塑性変化)の有無を近赤外線分光法(fNIRS)を用いて明らかにし、また、同時期に電気生理学的検査(筋電図検査)を行い、神経伝導や脊髄前角細胞の興奮性をみることでより生理的な機能回復が得られることを検証した。被験者6例を対象に検証を図ることができ、近々学会発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述のように当初の計画に沿って実施し、対象となる被験者も選定のうえ目標症例数に達している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って今後も実施していく。次年度は「電気刺激療法の効果の確認」、「近赤外分光法や電気生理学的検査の実施」、「さらに効果的な電気刺激療法のシステムの開発」を進めていく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度実施計画にある「さらなる効果的な電気刺激療法のシステムの開発」に対して、必要物品が生じると判断したため。
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次年度使用額の使用計画 |
卒中片麻痺患者自身が自ら取り付けが可能で、自動運動にしたがって訓練が行える電気刺激装置を開発する。ポータブル式電気刺激NM-F1が必要である。
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