研究分担者 |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30325782)
野間 知一 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, その他(作業療法士) (10535793)
川平 和美 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (20117493)
緒方 敦子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (40305123)
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (70295244)
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研究実績の概要 |
本研究では、脳卒中後に生じる片麻痺に対する治療として、新たな電気刺激療法を開発し、その効果や作用メカニズムを検証した。新たな電気刺激療法とは、これまで表面電極では困難とされてきた手指などの個々の筋肉を選択的に電気刺激ができ、随意的な筋収縮に合わせて刺激可能なシステムである。本研究では、この電気刺激療法を用いて片麻痺上下肢の筋を選択的に刺激することで、片麻痺に対する新しい治療法を確立した。また、作用メカニズムの検証のために近赤外線分光法(fNIRS)や電気生理学的検査(筋電図検査)を行い、脳の可塑性発現の実証ならびにさらに効果的治療の開発を行い、機能回復を促進するリハビリテーション治療の確立を行った。 経過としては、平成26年度は、電気刺激療法の効果の確認と近赤外分光法や電気生理学的検査の実施を行った。平成27年度は、電気刺激療法の効果の確認と近赤外分光法や電気生理学的検査の実施は引き続き行い、さらに効果的な電気刺激療法のシステムの開発を行った。平成28年度は、さらに効果的な電気刺激療法のシステムの開発についてのデータ取得および結果のまとめ、研究総括、学会発表、国際誌投稿を行った。得られたデータは、学会で発表し、論文にまとめて投稿した(Matsumoto S, et al. Brain Inj. 30(13-14):1722-1730, 2016)と(Tomioka K, Matsumoto S, et al. J Phys Ther Sci. 29(2):212-215, 2017)。 治療効果をフォローしながら片麻痺や筋・末梢神経・脊髄・脳の活動を解析し、有効性を実証することで神経筋電気刺激療法が今後の脳卒中片麻痺患者への新しい治療法の一つとなると考えられた。さらには、医療経済や社会に対しても非常に価値ある研究といえる。
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