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2016 年度 実績報告書

作業記憶の回復を伴う摂食・嚥下リハビリテーション法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26350580
研究機関九州歯科大学

研究代表者

吉野 賢一  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (90201029)

研究分担者 河岸 重則  九州歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (20137334)
下堂薗 恵  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30325782)
田中 敏子  九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (50137337)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード前頭前野 / 作業記憶 / fNIRS / 舌運動
研究実績の概要

舌運動は、運動や感覚に関連する脳領域の可塑的変化を促す可能性が示唆されているが、高次脳機能を司っている前頭前野との関連についての研究は少ない。
被験者をスクリーンの前に座らせ前頭部に脳機能測定センサーを取り付け、コンピュータにより制御される視覚刺激を手がかりとして2種類の舌突出課題およびコントロール課題を行わせた。これら3課題を遂行しているとき、前頭前野における脳活動について計測した。
遂行すべき運動の方向と運動の発現を指示する視覚刺激および方向選択性をもった舌運動から構成された課題において、視覚刺激に誘導される方向選択性をもった舌運動が、前頭前野の活動を賦活させることが明らかとなった。従来、舌運動は脳の可塑性を促すことが示されていたが、研究の対象であったのは運動や感覚に関わる一次運動野や一次体制感覚野においてあった。作業記憶との関連が深い背外側前頭前野は人のもつ高次脳機能を担う領域であり、その部位を含む前頭前野において脳活動の賦活を認めた意義は大きい。舌突出課題を用いて高次脳機能の改善を促す新たなリハビリテーション法を開発できる可能性を示唆することができた。運動の発現を指示する視覚刺激および舌の前方のみへの突出運動から構成される課題においては、前頭前野の賦活はそれほど認められなかった。前頭前野の賦活を促すには運動の方向を指示する手がかり、および方向選択性を持った運動の遂行が重要な要因であり、単純な舌運動のみでは十分でないことが推察できた。また、同じ視覚刺激を呈示し、舌運動を遂行させなかったコントロール課題では、ほとんどの被験者の前頭前野に賦活は認められなかった。このことから単なる視覚刺激の呈示だけでは高次脳機能の改善は期待できないことも伺えた。これらの知見は、将来的に効果的かつ効率的なリハビリテーション法を考案するうえで重要な情報となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Direction-selective activation in the prefrontal cortex through a visually guided tongue protrusion task2016

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Yoshino, Miki Tsuruha
    • 雑誌名

      Int J Neurorehabilitation

      巻: 3 ページ: -

    • DOI

      10.4172/2376-0281.1000220

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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