研究課題/領域番号 |
26350581
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
安 隆則 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40265278)
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研究分担者 |
秦 信宏 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (50357779)
大屋 祐輔 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30240964)
渡邊 裕也 京都学園大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (70644376)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 血液流動性 / 運動 / 末梢動脈疾患 |
研究実績の概要 |
血液のミクロな特性評価に関する研究:マイクロ流路加工技術の高度化に基づき、より生体の微小血管を模した直径50μmの細動脈から三回分岐して多数の6μmの毛細血管になり、その後3回合流しながら直径50μmの細静脈に到達するモデルであり、以前のチップよりも生体に近い微小血管モデルとなった。さらに、血液細胞の動きが全血のまま無染色で正確に観察ができるようになった。このマイクロ流路を従来の粘性を測定しながら血球の挙動が観測可能な装置に組み込んで、健常者30例の血液流動性と白血球活性化を評価した。2種類の異なる機序の抗凝固剤(ヘパリン、EDTA)を使用し、その差で白血球活性化を評価する新しい方法を見いだしたのでWorld Congress of Microcirculation 2015年9月京都で発表予定である。 歩行困難な末梢動脈疾患患者における骨格筋電気刺激治療と血液流動性に与える影響:運動困難な末梢動脈疾患例を対象に、ベルト電極式骨格筋電気刺激法を薬物(ヘパリン+リポPGE1)運動療法(20日間)に追加した観察研究結果で、その有用性と安全性を2015年7月の日本心臓リハビリテーション学会で報告予定である。血液流動性に与える影響についても観察中であり、短期的には一過性に血液流動性を運動と同様に悪化させ、長期的には改善傾向に導くことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
血液のミクロな特性評価に関する研究において、マイクロ流路加工技術の高度化に基づき、以前のチップよりも生体に近い微小血管モデルを作成でき、さらに血液細胞の動きが全血のまま無染色で正確に観察ができるようになったため。また2種類の異なる機序の抗凝固剤(ヘパリン、EDTA)を使用し、その差で白血球活性化を評価する新しい方法を見いだすことができたため。 歩行困難な末梢動脈疾患患者における骨格筋電気刺激治療と血液流動性に与える影響について、運動困難な末梢動脈疾患例を対象に、ベルト電極式骨格筋電気刺激法を薬物(ヘパリン+リポPGE1)運動療法(20日間)に追加した観察研究結果で、その有用性と安全性を確認できた。また血液流動性に与える影響については、短期的には一過性に血液流動性を運動と同様に悪化させ、長期的には改善傾向に導くことが示されたため。
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今後の研究の推進方策 |
血液のミクロな特性評価に関する研究:さらに流動が圧力によってどのような変化が起こるのかを確認する実験として30cm水柱圧と60cm水柱圧を加え、通過速度を算定する。また白血球を活性化させるN-formyl-methionyl-leucil-phenylanine(FMLP)を添加し、白血球の活性化をそれぞれ健常者(n=100)で評価する。その後、心血管疾患患者やその予備軍で検討する。 歩行困難な末梢動脈疾患患者における骨格筋電気刺激治療と血液流動性に与える影響:骨格筋電気刺激は薬物(ヘパリン+リポPGE1)運動療法の付加治療として有効かつ安全であることを検証するオープンラベル無作為化割り付け並行群間比較試験を実施する。40~85歳でABI0.9以下を示し、トレッドミル(ガードナープロトコール)での最長歩行時間が2分未満または重症下肢虚血で歩行運動困難な末梢動脈疾患患者で同意を得られた症例(目標40例)を対象とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者において研究費の執行がなかったため。 また、当初の計画より、物品費の支出が少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究打ち合わせのための旅費(沖縄-栃木 往復 約8万円×2、京都-栃木 往復 約6万円×2)、学会発表のための旅費(福岡-栃木 往復 7万円×2人、京都-栃木 往復 約6万円×2人)、統計解析ソフト(25万円)、骨格筋電気刺激治療に用いる付属品(10万円)、実験試薬(20万円)、実験用消耗品(血液流動性測定用マイクロチップ等 30万円)、事務消耗品(40万円)など。
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