英語圏では日本語に比べて発達性ディスレクシア(DD)の出現率が高く、実際に英語学習の困難さを主訴とする日本語話者のDD児は多い。しかし、彼らが英語の文字学習のどの段階で躓いているのかは明らかになっておらず、指導法も未確立であった。 今回の調査の結果、DD児はAからZまでの口頭での系列表出の段階、アルファベット1文字ずつ、特に小文字の読み書き、さらに子音と母音のブレンドなどの非常に初歩の段階で躓いていることが明らかとなった。指導法については、英語圏でのフォニックスを援用し、ローマ字の知識や日本語の知識を活用する方法を独自に考案した。これを約30名の発達性DD児に実施し、全例で一定の効果が得られた。
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