研究課題/領域番号 |
26350587
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤原 俊之 東海大学, 医学部, 准教授 (50276375)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脳卒中 / 歩行障害 / 脊髄刺激 |
研究実績の概要 |
脳卒中片麻痺患者の歩行障害に対して運動閾値下での経皮的脊髄刺激(Transcutaneous spinal afferent stimulation;TSAS)による歩行類似筋活動パターンの誘導と歩行訓練の併用による歩行障害の改善効果を検討するために、本研究では1)臨床で使用可能な、携帯型のTSASを開発し、さらに2)TSASの治療介入効果を無作為化比較試験(RCT)により検討することを目的とする。健側下肢筋電図をワイヤレス筋電図で記録し、健側下肢筋活動から歩行周期を読み取り、筋活動をトリガーとして、経皮的に脊髄刺激を行うシステムを完成させた。脊髄刺激装置は小型化して、患者にベルトで装着が可能であり、携帯可能なTSASを開発し、すでに耐久性、安全性の検討を終え、東海大学医学部臨床研究審査委員会の承認を得て、UMIN臨床試験登録を終え、RCTを開始している。割り付けは中央割り付けとし、無作為にTSAS+トレッドミル歩行群とトレッドミル歩行群の2群に分け、クロスオーバー試験を行っている。それぞれの介入は10回づつとし、1回の介入においては15分間の歩行訓練を5分間の休憩をはさみ2回行う。評価には10m歩行速度、6分間歩行、足圧分析による歩行解析、歩行解析による歩行対称性ならびに電気生理学的評価を用いている。2016年3月までに10例がエントリーされており。現在まで8例で介入を終了している。今まで有害事象の報告はない。平成28年度も引き続き参加者募集を継続し、症例数を蓄積し、研究を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
軽量小型の携帯可能なTSAS装置を開発し、安全性ならびに耐用性の検証もされ、RCTが開始されて、順調に参加者のエントリーも進んでいる。臨床評価のみならず、歩行解析、電気生理学的評価データも蓄積されており、歩行障害改善効果のみならず、その生理学的機序に関しても解明が可能と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
携帯可能なワイヤレス小型刺激装置の開発に成功し、RCTが開始され、UMIN臨床試験登録もされており、順調にエントリーが進んでおり、当初の目的である、小型携帯可能な刺激装置の完成は達成され、RCTにより本装置併用による歩行訓練の有効性が示されれば、エビデンスレベルの高い脳卒中片麻痺患者の歩行障害に対する治療法となる可能性がある。またその改善の生理学的機序に関しても、歩行解析による運動学的解析ならびに電気生理学的解析により、明らかとすることができるものと思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していたよりもディスポーザル電極などの消耗が少なかったことによると思われます。
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次年度使用額の使用計画 |
症例数の増加に伴い、消耗品が増えることが予想され、繰り越し金は来年度の消耗品の購入に充てる予定である
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