研究課題
本研究の目的は、研究代表者らが本邦において初めて確立した1H-magnetic resornance spectroscopy(MRS)法により異所性脂肪蓄積の一つである心筋内中性脂肪(TG)量を非侵襲的に測定し、運動プログラムや治療介入の効果判定に応用することである。本年度は、前年に引き続き虚血性心疾患、肥大型心筋症、拡張型心筋症、高血圧性心疾患、大動脈弁狭窄症等の心血管疾患症例に対し、心筋MRS法を用いて心筋内TG量を測定した。高血圧性心疾患例の心筋TG量は、肥大型心筋症例に比し有意に高値であり、心筋TG量は、肥大型心筋症において左室重量と有意な負の相関、高血圧性心疾患において心拍出量と有意な負の相関を認めた。多変量解析では、BMIと左室重量が心筋TG量の独立した規定因子であった。一部の心筋疾患では心筋内TG量が高値であり、種々の病態との関連が示唆された。経カテーテル大動脈弁植え込み術施行例は、高率にfrailtyを有しているが、外来心臓リハビリテーションプログラムの継続により、基本チェックリストスコア、抑うつ項目、MMSEスコアが有意に改善することを確認した。今後も、心筋TG量の関連について検討を継続する。マウス心筋梗塞モデルに対する早期からの自発運動は、抗炎症作用を介して心筋リモデリングの抑制に有用であること、angiotensin IIが誘導する酸化ストレスは、Nox4を介して骨格筋萎縮に関与することを明らかにした。心筋や骨格筋にける脂肪酸代謝との関連も含め検討を継続している。
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