高濃度の二酸化炭素を含むぬるま湯(人工炭酸泉、32~35℃)を筋機能の維持・改善に利用する可能性を検討した研究である。断続的な運動(例えば、野球の試合中の投手のような)の途中で、高濃度の二酸化炭素を含む水(人工炭酸泉)に、運動に使われている体部位を10分程度浸すと、同水温の真水に浸した場合と比べ、その後の運動に伴う筋疲労の進行が抑えられる傾向が有った。さらに、その部分の筋を流れる血流も統計学的に意味のある増加を示した。筋血流の有意な増加が筋疲労進行を抑制した可能性があり、理学療法における水治療に人工炭酸泉を用いることで、温度負荷を避けながら筋機能の回復を計る目的に利用可能かもしれない。
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